2011年04月02日

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posted by ジャンク派 at 16:12 | Comment(0) | 【募集!】

2011年04月09日

【本】 終わらない堂々巡り -「ドグラ・マグラ」夢野久作

ドグラマグラ.jpg


本について書かせてもらうことになった。


人はそれぞれ自己嫌悪に陥る時があると思うが、
私はそれが人一倍多いもので、

しょっちゅう、

“ここではないどこか遠くで、私ではない何かへなりたい”

などと願っては本の世界に逃げこんでしまい、
怪奇・幻想・ミステリーなど現実逃避向きの本を多く読むようになった。


薄暗い本の世界が、自分の薄暗い心と同調するようで気分がいいのだ。


で、その中でも繰り返し手に取っているのが、夢野久作「ドグラ・マグラ」。


“本書を読破した者は必ず一度は精神に異常を来たす”と称され、
日本三大奇書(誰が決めたのか、そういう物がある)
の一つでもある「ドグラ・マグラ」。


精神病院を舞台に、記憶喪失の美青年や錯乱美少女が登場し、
脳や精神にまつわる怪文が延々と繰り返される不可思議な探偵小説。


今さら上げるのも恥ずかしいほどメジャーな奇書である。


この小説のあらすじをまとめようとしたり、
考察しようとすると、腹の立つことに気づく。


あらすじも読み方も、すべて作中に書いてあるのだ。


小説「ドグラ・マグラ」の中には小説「ドグラ・マグラ」が登場し、
主人公はそれを読み、
あろうことか登場人物が「これはこれこれこのような小説です」と
丁寧に説明してくれる。


それまで(なるほどこういう話ね)なんて、
わかったような気になって読んでいると

作中の人物が同じことを言いだすのだから、
心を読まれたようで、作者の手のひらの上だったかと気恥ずかしくなる。


それではまた別の切り口から……と思って読み直せば、
やはりその解釈も作中に書いてある。


科学文明の風刺?
 
ミステリー小説のパロディ? 

耽美な怪奇譚?
 
なんの意味もないナンセンス?


意味深長な文章が延々と続くので、
解釈はいろいろできるのだが、

そのどれもがいい線に行くと見せかけて、
途中でふっと
“ああ、そうも読めるだろうね”と、
作者および登場人物に笑われているような描写に突き当たる。


読者は小説世界を客観的に眺められる立場で、
登場人物に比べて圧倒的優位であるのが普通だ。


特に探偵小説の場合、
一巡目はともかく、
二巡目の読者は犯人もトリックも知っているのだから、
どんな名探偵よりもゆうゆうと事件を眺められる。


しかしドグラ・マグラに限ってはそれが許されない。


こちらが本を読んでいるのに、
登場人物の方がこちらを見てニヤニヤしているようだ。


本格派の探偵小説には
「推理の材料はすべて提示しました。さあ謎が解けますか?」と、
読者への挑戦を挑む物があるけれど、

ドグラ・マグラは
「トリックも犯人もすべて説明しました。さあ謎が解けますか?」
と言ったところだ。


読んでいる間中「???」の感覚はつきまとうけれど、
考えれば考えるほど、何が謎なのかもわからなくなっていく。


間口が広いのに奥が深い、というのは何にしろ人をハマらせる条件だと思うが、
ドグラ・マグラはそれにぴったり当てはまっている。


何を解き明かそうと思って読んでいたんだっけ?

最初からもう一度読み直そう。


そうしてまた一からページをめくる。

それが何度目かは、もう覚えていない。




『ドグラ・マグラ』 (上・下)
 夢野 久作 著  (角川文庫)



長谷川 菜菜 [PROFILE]
   

      
posted by ジャンク派 at 13:45 | Comment(0) | 【ブックレビュー】